竹内オサム氏の力作。

10年以上前に手に入れ一回通読したことはあるのだが、「非実在問題」の件もあるので再読。

漫画史の本というよりは「漫画界の事件史」の本だ。そして漫画界の事件史とは、「マスコミや政府による弾圧や規制」と「パクリ、パクラレ事件」の繰り返しである。人類の歴史が戦争の繰り返しなのと同じかなw もちろん、漫画自体の歴史は、優秀な漫画家や原作者による革新の歴史でもあるのだが・・・ 

やはり面白いのは「不当な評価や規制」の歴史だ。巻末の年表から「弾圧」や「規制」関連の出来事を抜粋しておく。人間って進歩しないのね・・・

1949年、「週間朝日」が赤本漫画を攻撃。
1951年、警視庁と厚生省が、「赤本漫画対策」。
1955年、「追放運動」がピーク。
1962年、中央児童福祉審議会、「低俗出版物対策」。
1963年、各地青少年保護条例が強化。
1967年、東京都、貸本の「怪奇少女漫画」を問題視。
1970年、「在日外国人の人権を守る会」が「おとこ道」を問題視。
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年表は1995年まであるので、続きを読みたい人は買うなり図書館で。

それにしても、私が産まれる一年前には、既に「青少年保護条例」が強化されていたとは・・・