英語の歌は「歌詞がよくわからないからいい」ということを書いた。ちょっと違うが、「英語がわからないほうがより楽しめる」ゲームがあるのでご紹介。

そのゲームとは、The Elder Scrolls III: Morrowindである。どうでもいいが、なぜ日本語Wikipediaにこのゲームの記事がないんだろう。

後継作であるオブリビオンは、Xbox360版なら日本語版の商品がある。しかし、Morrowind(モロウィンって読むのかな・・・)の日本語版は存在しない。とはいうものの、単にプレイするだけなら中学英語で十分だし、むしろあまり英語がわからないほうがより楽しめる可能性がある。理由は後述する。

Morrowindは単なるオフラインのコンピュータRPGである。ただし、DQやFFと異なり、「決められたシナリオ通りにゲームを進める」必要が「全く」ない。何をやってもいいのである。商店主をぶち殺して金品を奪いとってもいい。もちろん悪いことばっかりやっていると役人に捕まったり、人々から毛嫌いされたりするが、あくまで見つかってしまった場合だけなので、「表の顔は慈善家、本当は強盗」みたいな役割(ロール=role)を演じることも可能。文字通りロールプレイングゲームなのだ。

自由度の高さはMorrowindでもOblivionでも同じだが、MorrowindにはOblivionにはない特徴がある。それは、「主人公の設定」である。Morrowindの主人公(プレーヤーが操作するキャラクタ)は、ある理由によって、Vvardenfell島に放り出された元囚人なのである。

で、このVvardenfell島というのがおもしろい。この島はある帝国に支配されているのだが、何でも帝国に従っているわけではない。帝国にはちゃんとImperial Cultというグローバル宗教(w)があり、この島でも布教しているのにも関わらず、多くの住民は別の土着宗教を信じている。とにかく一風変わった島なのだ。

島国根性だからだろう、主人公に対する呼び掛けはみな、"Hi, outlander!"である。主人公は、排他的な住人が多い見知らぬ国に放り出され、「外人呼ばわり」されながらいろいろ努力(金を貯めたり名声を高めたり)する必要があるのだ。

ロールプレイングゲームの醍醐味が「役を演じきる」ことだとすれば、ゲーム内で交わされている言葉があまりよくわらないほうが、「異郷の地での冒険」をより楽しめるはず。これが「英語がわからないほうが楽しめる」理由だ。

Oblivionのほうも、「ある理由があって釈放される囚人が主人公」という点では似ているのだが、「見知らぬ土地に放り出される」わけではないし、outlander呼ばわりもされないので、「英語がわからないほうが楽しい」とまでは言えない。また、民族や宗教対立など、Morrowindのほうがより深い(ある意味危ない)テーマを扱っている点でもおすすめ。今のPCなら問題なく動くはずなので興味があるかたはぜひ。



プレイ動画も見つけた。日本語化パッチを使うとこうなるのか・・・