八王子」に行ったら、「足利」のことを思い出した。

高校時代の話だ。私が通っていた高校はいわゆる帰国子女(「帰国生」という)のための学校だった(たぶん今でも)。もちろん、日本生まれ日本育ちの生徒(なぜか「一般生」という)も受け入れてはいた。私は「一般生」である。

高校としては珍しく寮があった。これも本来「帰国生」のための寮だが、「一般生」も入寮することは可能で、「足利」出身の「一般生」の女子もいた。

今はどうなのか知らないが、当時の校風は自由奔放そのもので、みんなあんまり男女差など気にせず仲良く遊んでいたのだが、この足利出身の子は古風なのか、男たちとはあまり交流が無かった。単に私だけ嫌われていたのかも知れないが・・・

男というのは助平だから、「男に興味のない女」には心惹かれるものである。そこで私をリーダーとする馬鹿グループ5、6人が、「あの子の故郷の足利を探検して、できれば実家を訪ねてみよう」という計画を立てた。

わざわざ学校をさぼって平日に東武線の急行「りょうもう」に乗り(後に特急に格上げ)、足利市に足を踏み入れた。織姫神社鑁阿寺足利学校を見物した。グループ内に一人日本史に詳しい奴がおり、いろいろ解説してくれた。授業はサボったが勉強はしていたのだ!

街中もかなり歩き回った。最近はどうなったのか知らないが、歴史を感じさせる品のいい建造物も多く、「ああ、あの子はこういうところで生まれ育ったからちょっと感じが違うんだ」などと、勝手なことをほざきながら散歩を堪能した。

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