角海老と落語に書いたように、老舗ソープランド経営者が逮捕された。おそらく今後「吉原」全体が手入れを食らい、また一つ東京の伝統が失われるのだろう。

売春が悪いことなのは当たり前だが、なぜ「今」取り締まりをしなくてはならないのだろう。乳飲み子を抱えながらがんばっているソープ嬢だっているはずだ。ただでさえ不景気なのに、彼女たちの生活は今後どうなるのだろう。でも、想像力のない「清潔病患者」は拍手喝采しているかも。

石原都政になって、都立の博物館の開館時間が延長されるなど、行政サービス自体は良くなったと思う。しかし、弊害も多い。

・屋台が街から大幅に減少した。少なくとも私の生活圏の渋谷や世田谷からは完全に締め出された。不況で職を失った人が、「屋台をひいてがんばる」ということはできなくなった。

・違法賭博ゲーム店や無許可風俗店が壊滅した。ちろん「違法」だから取り締まられて当然だが、すくなくとも従業員にとっては、雇用の場が失われたわけだ。また、いくら取り締まっても賭博や女をやめられない人間は一定数いるので、合法的賭博であるFXに夢中になる人や、出会い系サイトの乱用者が増えた。

政府や自治体が、「不景気や財政悪化の原因」を作っているのに、それに対する既成メディアからの批判はない。不思議だ。いろいろ圧力もあるのだろう。本当の圧力はやはり「裏社会」から来ているのかもしれない。風俗店の取り締まり時期と、渋谷のヤクザの勢力争いがおきていた時期とは、ちょうど一致している気がするのだが・・・